高校数学 #1 点数の上げ方講座

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こんにちはクロパカ塾のコンクロです。この記事では

「数学の点数を上げるには何をすればよいか」6つの要素に分けて

解説していきたいと思います。

その後、6つの要素の優先順位なども軽く解説します。

数学得点力・6つの要素

さっそくですが、僕が思う数学得点能力の6つの要素は次の6つです。

  1. 計算力
  2. 条件処理能力
  3. 発想力
  4. 俯瞰力
  5. 解答作成力
  6. ミスをしない力

この1~6の要素について1つ1つ解説していきます。

1.計算力

ここで言う「計算力」というのは計算スピードのことではなく、公式や計算法則、基礎解法といった「最低レベルの問題を解くための知識」のことです。

なぜこれらのことを「計算力」と呼ぶことにしたかというと、計算は自分の頭が考えるのではなく、数学が勝手にやってくれるものだからです。つまり、この「計算力」の範囲に分類される公式や基礎解法は、使うときに頭を使わない状態になって合格です。

「計算力」に分類されるものを大きく①公式、②計算法則、③基礎解法の3つに分けたので具体的に見ていきましょう。

公式

例えば次のようなものです。

展開公式
\(a²-b²=(a+b)(a-b)\)

加法定理
\(sin(a+b)=sinacosb+cosasinb\)

公式は使うために覚えるもの

覚えることがゴールではありません。使えて初めて意味を持ちます。
使うために覚えるには次のことを意識しましょう。

数字や文字の羅列として覚えてはダメ

数字や文字の羅列として暗記していると、その公式がどういうときに使われて、使うと何が嬉しいのかがさっぱりわからなくなります。

公式の覚え方の例

例)余弦定理
\(a²=b²+c²-2bccosA\)

これを単なる文字式として覚えても使いこなせません。
余弦定理は三角形についての定理で、図形問題で使うことが多い(教科書などの例題もほとんど図形問題)ので、図形のイメージで覚えましょう。

このように、余弦定理は三角形の3辺の長さと、1つの角の大きさの関係式です。
そして、aとAが対辺/対角の関係になっています。b,cについては図形的に対称な関係なので式にもそれが表れています。

私の感覚としては、「ここの2乗=ここの2乗+ここの2乗ー~~」みたいな感じで頭の中にイメージが出てきます。aやbという文字は式に表すときに仕方なく必要なだけで、余弦定理の本質とは何の関係もないのです。

これがわかっていれば、三角形の3辺と1つの角のうち1つだけわかっていない状況になったときに「余弦定理を使えばわかっていないところがわかる!」と気づいて使えるはずです。

これが1つの例ですが、他の公式もこのようにして何と何の関係式で、どのような状況で使うのかを意識して覚えることが大事です。その練習をするために教科書には例題というものが載っています。ぜひ有効に活用してみてください!

計算法則

例えば次のようなものです。

  • 不等式の変形
  • logの計算法則
  • ベクトルの基本演算

これらもとにかく使って覚えましょう。この段階で頭を使っているうちはそれ以上のレベルの問題が解けなくて当たり前です。地道に当たり前にしていきましょう!

基礎解法

基礎解法とは「○○を求めるには○○をする」のような、問題と解法が1対1で言えるような解答の元となるもののことです。

例えば次のようなものがあります。

  • 実数解の個数     → 判別式
  • 接線の傾き      → 微分
  • 互いに直角のベクトル → 内積が0

これらは、問題を見れば解法が条件反射で頭に浮かぶまで演習を積みましょう。基礎解法も公式や計算法則と同様に、当たり前に解けるようにならないとその先の思考ができません。

計算力についてYouTubeでも解説しています!是非見てみてください。

2.条件処理能力

条件処理能力とは、問題で与えられた条件を数学的に処理する能力のことです。次の例題で考えてみましょう。

例題)直線 \(y=x\)と直線 \(y=-x+2\)の交点の座標を求めよ。

説明のためにかなり簡単な問題にしましたが、難しい問題でも考え方は同じです。条件処理には次の2つのステージがあります。

条件を見つける

まずは、答えを導くための条件を見つけましょう。この問題のゴールは「2直線の交点の座標を出すこと」です。そこで、「なぜこの条件で交点座標が求まるのか」を考えます。

交点が1つに決まる理由は、「2直線上にあるから」ですよね。もっと分解して言うと、「求める点が直線\( y=x\)上にある」と「求める点が直線 \(y=-x+2\)上にある」という2つの条件によって1点に決まるわけです。

これで条件を見つけるステージは終了です。次のステージに移りましょう。

条件を数学的に処理する

条件を見つけたので、それを数学的に処理します。「数学的に処理する」とは簡単に言うと「言葉を式に変換する」ということです。

「求める点が直線\( y=x\)上にある」と「求める点が直線 \(y=-x+2\)上にある」という条件を式に変換すると、求める点を\((a,b)\)として、「\(b=a\)」・・・①、「\(b=-a+2\)」・・・②となります。

ここで必要な知識としては、「ある点が曲線(直線含む)上を通るとき、その曲線の方程式にその点の座標を代入した式は成り立つ」ということです。

そして出てきた①、②を連立すれば\(a=1,b=1\)と座標が求まるわけです。ちなみに連立は2つの式を統合した新しい式をつくるイメージです。

条件処理をまとめると

①式に変換
②式を連立

というシンプルなものです。数学ではこのように解法を一般化してみると、視野が広がって広く応用できるようになります。

3.発想力

ここでいう発想力とはいわゆる「ひらめきの力」ではなく、
問題の情報で自分の引き出しを検索する能力のことです。

この能力は、型にはまっていないオリジナリティのある問題を解くのに必要な能力です。それでは例題を使って具体的にどういうものなのか見ていきましょう。

例題)円周率が3.05より大きいことを証明せよ。

有名な東京大学の入試問題です。これは発想力がないと取っ掛かりが少なすぎて解けません。この問題を解くために必要な発想力を次の3つに分けて解説していきます。

①論理的思考
②経験
③体系化された知識

論理的思考

「\(π\)そのものの値の近似的な問題なので、\(π\)の定義から攻めるべき」と考えられればかなり論理的思考が身についています。普段の勉強から「なぜ?」を考える癖をつけることがこの論理的思考を向上させるのには必要です。

ちなみに円周率の定義は円の直径に対する円周の長さなので図形で考えることを候補に挙げておきます。

経験

区分求積(数Ⅲ)や扇形の面積の公式の成り立ちなどを経験したことがあれば、より図形的な近似法にたどり着きやすくなります。

今回は3.05より大きいことを示すので、半径1の円の内側に周の長さが3.05以上の何かしらの図形を入れられれば証明できそうです。

体系化された知識

  • 円に関する知識
  • 近似に関する知識

これらがきちんと整理されていれば、素早く自分の中で必要な情報を集めることができます。ただこの問題ではそこまで大きな活躍はしません。

具体的には次の図のように考えます。

半径1の円に内接する正八角形の周の長さを計算して3.05よりも大きいことを示せば証明完了です。多角形になればなるほど精度は高くなるので正八角形より大きければ何角形でもOKです。(計算できれば)

条件処理能力、発想力についてもYouTubeで解説しています。是非見てみてください。

4.俯瞰力

俯瞰力とは次の2つの全体感、概要が理解できる力のことです。

①問題
②高校数学の範囲

それぞれ解説していきます。

①問題に対しての俯瞰

問題がどのような要素で構成されていて、最終的にどのような計算で答えが出るのかを説明できるということです。もちろん問題の難易度によってできるできないがあると思いますが、解ける問題でも俯瞰できていないときがあります。それをしっかり俯瞰して説明できることで理解度が一気に上昇します。

②高校数学の範囲の俯瞰

①ができるようになるには日々の演習から、「この問題は結局こういうことで、ここがポイントね」と自分の中で要約し、一般化することです。これを沢山積み重ねていくと高校数学の範囲全体を徐々に俯瞰できるようになっていきます。俯瞰できれば正しい場面で正しい知識が使えるようになります。

この俯瞰力を向上させると、数学の知識や経験が体系化されていきます。この体系化というものが勉強において最も重要な要素の1つであると思っています。常に体系化を意識して勉強に励みましょう!

5.解答作成力

解答作成力とは名前の通り記述問題で解答を作る力です。
解答は自分が理解するものではなく、採点者に「自分は理解している」と伝えるために書くものです。この本質を肝に銘じてレベルアップしていきましょう!

解答作成力が必要な理由には次のようなものがあります。

  • 答えにたどり着いても記述式の問題では満点をとれるとは限らない
  • 最後まで解けなくても解答を正しく書く力があれば部分点で稼げる
  • 解答をしっかり書く人の方が理解力が高い傾向がある

では解答作成力を養うには何をすればよいのでしょうか?
次の3つの要素に分けて説明していきます。

①書く癖をつける
②書き方を学ぶ
③書いたものを添削してもらう

①書く癖をつける

一番大事なのは実践です。まずは論理的に解答を作る練習を簡単な問題からやっていきましょう。これを大前提に②、③をやっていきます。

②書き方を学ぶ

書き方を学ぶには次の2つの方法をおすすめします。

  • 参考書、問題集の解答例を参考にする
  • このブログ(またはYouTubeチャンネル)の解答例を参考にする
参考書、問題集の解答例を参考にする

基本的に演習は参考書や問題集でやることが多いと思うので、それらの解答例を参考にして自分の解答を修正していきましょう。

ただ、参考書や問題集の解答例はお堅い傾向にあり、丁寧すぎる記述もあるので妄信しないようにしましょう。

このブログ(またはYouTubeチャンネル)の解答例を参考にする

参考書や問題集のお堅い感じを取り除いて、減点されない良い感じの解答例を教えていくので是非見てみてください!

書いたものを添削してもらう

「参考書にはこうかいてあるけどこれでもいいのかな?」みたいなことはよくあると思います。そのような時は塾の先生、学校の先生、またはクロパカ塾のTwitterのDMなどに相談してみましょう。

6.ミスをしない力

最後は「ミスをしない力」です。計算ミスやケアレスミスは受験期に入ると悩まされる人がかなり多いです。

理解はできているのに点を取りこぼすのはとてももったいない!
ではどのようにして減らしていくのでしょうか?

自分のミスを知る

前提として、ミスには「個性」があります
意外と意識しないことですが、以前務めていた塾の生徒を見ていると個性満点でした。ミスには個性があるならば次のような対策が効果的です。

自分のミスをメモする

自分のしやすいミスはどこの参考書にも載っていません。
ならば自分で作るしかないのです。ミスした内容をミス専用の小さいノートなどにまとめていきましょう。

1か所にまとめることが大事

1か所にまとめる理由は見返す回数を増やすためです。人間は長期的・潜在的に記憶するためには回数を重ねるのが一番効果的です。
それについての解説をここでするとブレてしまうので違う記事で書こうと思います。

自分のミスを知れば自然に気を付けるようになる

例えば、「不等号の向き間違えがち」というメモを残し、それを何度も見返していれば、不等式計算が出てきた時に「きた!」と思って気を付けるようになります。

この方法なら、自分のしやすいミスを重点的に気を付けるので効率的にミスを減らすことができます

「これはミスだから」と復習しないのはNG

こういう人は多いのではないでしょうか?ミスも解けなかったときと同じように点が引かれます。絶対にミスを無駄にしてはいけません。しっかりミスに向き合って攻略していきましょう!

俯瞰力、解答作成力、ミスをしない力についてもYouTubeで解説しています。是非見てみてください。

順番を守って段階的に習得しよう

最初からレベルの合っていない問題を解くとバラバラの知識になりやすいです。問題がどのような要素で構成されているかがわからなかったり、問題同士のつながりが見えず、考え方を一般化できなかったりします。

具体的な順番

順番としては

①計算力
②条件処理能力

の順に勉強しますが、これと同時並行で③発想力、④俯瞰力、解答作成力、⑥ミスをしない力を上げていきましょう。①と②は木の幹で、③~⑥は枝葉のようなイメージです。

受験数学にひらめきは要らない

「ひらめき力がなくて、、」や「それは思いつきません。」などと言っている人は大抵ほかの力が足りていません。受験数学において、ひらめきが必要である問題はほんのわずかです。そしてその問題は取れなくても合格できます。

最後に

このクロパカ塾ブログでは数学だけでなく英語や他の勉強についても、できる人の脳内を解説していきます。是非今後の投稿も一緒に見ていただけると嬉しいです!

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