式どうしの足し算・引き算・指数計算のコツ #2

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数学ⅠAの第1章「数と式」の第1節「式の計算」の中の整式の加法・減法・乗法の解説ページです。

1.式どうしの足し算(加法)

足し算のことを数学の用語で「加法」と言います。教科書等でも出てくる単語なので覚えておきましょう。

さて、整式同士の足し算の例をさっそく見てみましょう。

\((x²+x+1)+(2x²-3x+1) = 3x²-2x+2\)

左辺のかっこがついている2つの式を足した結果が左辺です。

それではやり方を解説していきます。

同類項をまとめる

同類項とは「文字の部分が同じである項」のことです。上の例の左辺でいえば、\(x²\)と\(2x²\)、\(x\)と\(-3x\)、1と1がそれぞれ同類項です。

同類項を見つけたらあとは係数どうしを足すだけです。「同類項をまとめる」というのは同類項どうしを足して式を見やすい形にしよう!ということです。

\(x²\)の項は係数が1と2なので足すと3、\(x\)の項は係数が1と-3なので足すと-2、定数項(数字だけの項)は1と1なので足すと2。したがって足した後の式は\(3x²-2x+2\)となります。

2.式どうしの引き算(減法)

引き算のことを数学の用語で「減法」と言います。

整式どうしの引き算は、足し算の時とほとんど同じです。
例を見てみましょう。

\((x²+x+1)-(2x²-3x+1) = -x²+4x\)

左辺の式と式の間の記号が+から-に変わっただけです。

注意しないといけないのは、-の後ろの式にはカッコがついているので、カッコ内の項にはすべて-がかかるということです。要するに-がかかっているカッコ内の項をすべて反対符号にすればよいのです。

あとは、足し算同様に同類項をまとめるだけです。練習として上の式の左辺を計算してみましょう。

3.指数計算(乗法)

掛け算のことを数学用語で「乗法」といいます。

文字・数字どうしの掛け算

同じ文字・数字どうしの掛け算では、「指数」というものを用いて表します。例を次に示します。

\(x×x=x²\)

\(x²×x²=x⁴\)

このように指数を用いた計算が出てくるとき、「同じ文字・数字どうしの掛け算の指数は足し算」と教えてもらった人もいるかもしれません。しかし、この覚え方は危険です。なぜなら、本質からくる結果を丸暗記してしまっているからです。この考え方では、解ける問題が限定的になってしまいます。

指数のイメージ

正しい考え方は、「文字数字が指数個かかっているイメージ」です。

具体例を示すと、\(x²\)であれば、指数が2なので「\(x\)が2個かかっている」項であるというイメージを持つことです。

「このぐらいどっちで覚えても変わらないじゃないか!」と思う人もいるかもしれませんが、この考え方が本領を発揮するのは指数が大きい数字の時や文字で置かれているときです。

n乗の計算

「文字・数字が指数個かかっているイメージ」が活きる例を見ていきましょう。

\(2ⁿ×2 = 2ⁿ⁺¹\)

\(3ⁿ⁻¹×1/9 = 3ⁿ⁻³\)

1つ目の例は、2ⁿと2の掛け算です。2のn乗は2がn個かかっています。それに2が追加で1個かかるので、合計で2がn+1個かかることになります。したがって答えは2ⁿ⁺¹となります。

2つ目の例は3ⁿ⁻¹と1/9の掛け算です。3ⁿ⁻¹は3がn-1個かかっています。1/9は1/3²と変換できるので、分母に3が2個あるので分子にある3を2個約分しましょう。少しわかりにくいので下に図解を載せておきます。

これをイメージできればもう指数は怖くありません。ややこしい指数計算は組合せ・階乗計算や数列の分野でよく出るのでしっかり復習しておきましょう。

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